隣のワカメは青く見える

九州を拠点に生きている現役3年目大卒看護師。最近の悩みは観劇と旅行に費やすお金をいかに捻出するか。そんな日々です。

19/4/19M@十二番目の天使 絶対絶対絶対絶対、あきらめない!!!

最近はここ何日かで朝晩共にぐっと暖かくなって来ましたね😊まだ気温が不安定ですが昼との寒暖差が和らいできたので出かける服に困らず嬉しいです☀️そんなぽかぽか陽気の中久留米まで井上芳雄さんの舞台『十二番目の天使』を観に行ってまいりました!!!

久留米と言えば初めて1人暮らしを始め4年間の大学生活を送り多くの友人と出会った、まさに第2の故郷と言っても過言ではない程大好きな町なのですが、今回は惜しくも大学在学時代に工事が始まり卒業時に完成を迎えたシティプラザに念願叶って行ってきました。今の病院に入職後も何度か久留米まで遊びには行きましたがいつも中を通るだけで劇場内に入ったのは初めて。どっきどきわっくわく🤩
宣材写真↓

1514人収容型ホールで4階席まで。会場全体が暖色で落ち着いたカラーで統一されており、前後の座席間隔は少しゆとりがあったように感じました。広く取ってあるのかな?ブロックはセンターとサイド×2の3ブロック構成。2階3階4階は最大それぞれ縦に5列ずつしか席を設けておらず空間を存分に残していて、圧迫感がなく視覚的にも広く感じました。西鉄久留米からも直線1本で着きますし徒歩でも15分程度。学生時代とてもお世話になった商店街が隣接しており場所は申し分ないです。

あぁ、観劇レポでしたw
久しぶりの井上芳雄さん。いやぁ、いつ見ても穏やかで優しい声に心癒されます😌
十二番目の天使とは
https://www.tohostage.com/thetwelfthangel/
小説として知名度も高い作品ですが、実際私は読んだことがなくって…😓高校生の頃当時付き合っていた相手が生粋の野球部で活字嫌いのお馬鹿さんだったのですが(←失礼にも程がある)、そんな彼が唯一読みふけっていた本。という淡い思い出の作品。ある程度のあらすじのみしか身につけておらずストプレだしきっと大丈夫だろう!!!という考えで行ったのですが、余計な予備知識が入っていなかったからかめちゃくちゃ泣けました😭話の流れとしてはよくあるようなベタな設定なのですがそれがいい。芳雄さんの優しさが内面からにじみ出るジョン。愛する妻と息子を失った彼が何度も机の右下の引き出しを開けては銃と睨めっこの格闘を繰り返す場面。芳雄さんの悲痛に歪む顔が居ても立っても居られず…。唯一自分の手元に残されたのは妻でも、息子でもなく、成功をおさめた仕事の重役。そんなものが残ったって彼には何の足しにもならず虚しさだけが残るだけだなんて。やっと戻ってきた故郷、そこでの唐突の事故。『即死だった』そう、ジョンの口から紡ぎ出された言葉が重く胸を締め付ける中彼の幼い頃からの友人ビルがタイミングを見計らったかのように現れます。キーパーソンとなる彼は然るべきタイミングでジョンを救いの道へ導いていきます。ジョンがビルに見出した希望。六角精児さんだからこそ出せる、決して明るすぎず、励ましすぎず、同情するわけでもただ寄り添うだけとも違う。1人の友人として昔と変わらず接する、そんなビルだったからこそジョンを内面から『生きる』という面で奮い立たせる事が出来たんだろうなぁ。まさにジョンの中の風向きを変えるべき人物。
キーパーソンとなるもう1人重要な人物といえば不器用な野球少年ティモシーです。大西統眞くんだったのですがチケット確保する際Wキャストという事をすっかり忘れ慌てて確認したら統眞くんキャスティングされてて一安心。一昨年のレミゼでのガブ観てから気になってて、もう2年経ったんだなぁという思いといろんな意味で着実に成長してるなぁ。という感情が勝手に渦巻いていました😌元気な中に小さいながらも闘志を燃やしていたあの熱い瞳がそのまんまで、今回は自分がもうすぐで死ぬ運命と悟りながらも小さい身体で馬鹿にされたって決して諦めない強さがミシミシ伝わってきました!!!回りくどくなく直球に伝えてくる所が彼のいい所だなぁと思います。そして、栗山千明さん。めちゃくちゃ細くて綺麗。ジョンを励ます亡き妻、そして片親として短い命を必死に生きようとするティモシーを全力で支える母親。共に努めて明るく強い女性像を演じられていたのに後半のリーグ戦でティモシーの活躍を1人舞台上で演じあげるシーンで震える声で涙を堪えながら見守る。そして泣くまいと笑顔で息子を抱きしめる様が、決して強いだけではない女性特有の儚さが相まってもう、ほんと泣けました。誰にも放出する事の出来ない弱さがそこにはあって。画面越しではない表現力で、緊張していたのでしょうか噛んでしまう場面もありましたが特に気になる事なく入ってきました。
ジョンの亡き母兼家政婦の木野花さんも年の功というのでしょうか。精神的に憔悴してしまったジョンを『生』と『死』という両側面から支え、見守り続けるといった共通した部分を持つ役所で、メリとハリがついた優しくも強い母親像(栗山千明さんとは違った意味で)を確立していました。常に優しく家政婦としてジョンに接してきた木野さんが終盤に厳しい言葉を投げつける場面はジョンの事を心から心配し、亡くなる前の家族像を知っているからこそ今のジョンには残された者として強く生きて欲しいと願っての事なんだろうなぁ。その姿にハッとさせられた私でした。
ジョンの亡き父親兼メッセンジャー医師演じる辻萬長さんは豪快でくよくよ悩んでいる事などないと正面からぶつかってくる勢いです。ジョンを取り巻く人間関係の中では1番に亡くなる父親ですが、あの力強さがミソですね。リーグ線の序盤で、ティモシーのミスが原因となり負けた試合の場面。ジョンは帰路の途中、過去の自分と今のティモシーを重ね合わせ車を球場まで走らせます。そこには幼いながらにも『父親』という根本的な熱い想いがジョンの中に刻み込まれていたのでしょう。今の彼を作り上げている一部として描かれているのに心がキュッと締め付けられました。メッセンジャー医師としては序盤からちょくちょく出てきますが、なんと言っても最後のティモシーの抱える秘密をジョンに打ち明ける場面が印象的です。とは言え、ジョンとビルがティモシーの異変に気付いた時には既に診察後だったんだよね?2人に悟らせる事なく会話を進められたもんだなぁ。職業魂というものなのでしょうか?もし自分なら内心心臓ばっくばくですよほんとに。

カテコ後の挨拶で芳雄さんが『ただいま福岡ー!!!』とか言いつつ『実は福岡の前に公演した香川が僕の生まれ故郷なんですけどね』と笑顔でwですよね〜。香川でもただいまー!!!って言ってたの知ってますw『でも福岡での思い出も沢山あって。故郷がいっぱいあるって良い事ですよね?』良いこと言うじゃないですか!!私も転勤族の子だったので地方を転々としてきましたが、故郷がいっぱいあるって良いことだと…思います…はいw

最近サバンナに浸かっている事もあり家族愛の大切さに改めて気付かされる事がとても多いです。親元を離れて生活していると一緒に過ごしていた頃には気付けなかったありがたみを身に染みて感じるものです。
もし半年に1、2回会うとして年2回、例えばそれが10年だとすれば残された期間は多めに見積もっても精々30回程度。そんなものなのです。私の場合大体月1で実家へ帰っているのですが(隙があればすぐ帰省w)それでも年に12回、それが20年と考えても240回。到底1年には及びません。昔は当たり前のようにあんなに一緒にいたのにね。現実的に考えると多少の前後はあるかとは思いますが、やっぱり大切にしていきたいなとしみじみ思う今日この頃です。