隣のワカメは青く見える

九州を拠点に生きている現役3年目大卒看護師。最近の悩みは観劇と旅行に費やすお金をいかに捻出するか。そんな日々です。

19/2/27S@パリのアメリカ人 恋と青春と自由を求めて

初のパリアメ!!!
一言で言うと、昨年の恋シェに続き新境地を目指している四季さん?劇の中に絶妙にバレエを融合させ、それが違和感ではなく互いが絡み合う様に1つに交わっている。観ていてとても気持ちの良い作品でした。
観る前に感じていた、バレエというと馴染みのない、純粋にミュージカルが好きと言うファン層はどんな反応をするのだろうと言う疑問もぶち壊して、ある意味破壊的な舞台を創り出していました。

初の東急シアターオーブ。迷う気満々で早めに行ったら意外と迷わず。えぇ、方向音痴なんです…。しかし予想以上に早く着きすぎてしまいましたw

キャスボ↓

あぁ、唯アンリと松島ジェリー😭月曜までドキドキしてたけどキャスト構成ありがとうございます!!!味方さんいつぶりだろう…。味方さんも恋シェではすれ違いだったので嬉しい😊

リズ役の近藤さんも17年にアンデルセンのアンサンブルでデビューした初々しい方で本当に可愛い。たしか杏実ちゃんもデビューして3年くらい?そんな2人がリズ役を務めるのほんと凄いというか、2人ともバレエ界を生き抜いてきただけあって綺麗。ねむちゃん回しか観れてないんだけれど、隣の方が『杏実ちゃんと声が似てる!』って言われてて、同じ役してると似てくるものなのかな?w

まずはあの『三銃士』こと男三人衆について。
お調子者で真っ直ぐなアメリカ軍人『ジェリー』
過去を背負うピアニストのアメリカ軍人『アダム』
資産家の息子で優等生なフランス人『アンリ』
ひょんなことから出会った一見接点のないように思える3人ですが、案の定いつも喧嘩ばかり。しかし、芸術を愛し志す気持ちはみんな一緒。互いに本音でぶつかり合う度に友情は硬く強固なものになっていきます。

【松島ジェリー】はとことん自分の気持ちに真っ直ぐでリズの事になると全く周りが見えなくなります。周りを巻き込みながら2人の世界にどっぷり浸かっていきますw迷惑なんてなんのその。リズの気を引くために彼女の職場に乗り込んだり、追いかけ回したり。何度リズに拒まれてもめげずに愛を伝え続けるジェリー。今時こんな男の子いないでしょ?ってくらいストレート系男子。あれ?待てよ。こういう人を知っているような…。個人的にここまで真っ直ぐに向かって来られると少し気が引けてしまう…w
【俵アダム】は他2人に比べるとやや印象が劣るというか、2人の個性が強すぎてどことなく置いてけぼり感が拭えない😭だからこそ語り部という役を持っているのでしょうか?かと言う彼もジェリーと同じアメリカ軍の退役軍人で故郷に戻らずパリでピアニストを目指す青年。リズに片思いをしていながらもジェリーのように正面突破していくのではなく、彼女の幸せを願おうとしているやや大人な印象ですね。戦争で足に障害を持ちピアニストをしながらも作曲家になるという目標に向かう姿は美しいなと。
【唯アンリ】は資産家の息子と恵まれた環境でありながら、親に隠し密かにショーマンになるという夢を持っている青年。リズには特別な思いがあり、過去の云々かんぬんを除いて純粋に彼女を愛しています。多分、かなりいいやつなんです。ジェリーに戦争に行かなかった腰抜けと中傷されますが彼は信念に基づきリズの為に危険をおかしながら身を削るような努力をしてきました。リズに中々プロポーズを切り出せない少し弱腰な所もありますがしっかりとした信念を持った骨のあるやつです。

少女漫画で例えるならジェリーは圧倒的にガツガツ系主人公であり、アンリは気のいい主人公のライバルでありながらも最終的には「いいよ、行きなよ」って送り出す1番切ないタイプ。アダムは隣のクラスで密かに恋心を寄せるタイプでしょうか?w何言ってんだ自分。
独断と偏見ですがこの三銃士なら圧倒的にアンリがタイプです。はいwというか純粋に唯くん格好いいです。はい…w

ねむリズは何というか綺麗なのは前提として、演技も想像を超えていて圧倒されました。ここまでのラインまで持ってくるのか!!!と。リズからライザへ変わった時の印象が何と表現したら良いのだろうか…。何にも縛られない明るく輝いていて強気な。それこそが本来の彼女の姿なのかなぁ。アンリには悪いけど…。今後のねむちゃんに期待が膨らむばかりです。

木村さんオルガは怖い。あんな上司がいたらもう泣いちゃうよってくらい威厳を放っていて…。控えめに言って怖いです。
宮田さんマイロは実に儚い女性で。実は彼女こそリズよりも壊れやすい心を秘めているのではないでしょうか。終盤アダムに告げる「初めは好きになるつもりじゃなかったの…」という言葉がなんとも辛そうで。その通り初めはマイロ自身も芸術を愛しアダムに惹かれたのは事実で、アダムの滲み出てやまない輝きに1人の女性として惹かれていったのでしょう。要するにそんなに女性を引きつけるオーラを放つアダムが悪い!
とまぁ、冗談はさておき。岡本さんのマイロがとってもとっても観たくなりました。

話は変わりますが、アンサンブルのモゼさん存在感強すぎません?wどこにいても彼を見つけてしまう。というよりも視界にドドン!と入ってくる圧倒的な存在感!背も高くていい味出してました〜😌
それにしてもやっぱり凄いプロジェクションマッピング。冒頭から物の見事に引き込まれました。酔いながら飛行機の中で軽く予習したロンドン公演でも鳥肌物だった序盤のカフェでの自転車発電機は若干物足りなさも感じたけれどやっぱりあの演出好きだなぁ☺️シュッシュみんなで灯りを点けていく演出も。あの停電時でも楽しさを忘れない雰囲気がほっこりして好き。あと、I Got Rhythmの入りだしの絡みがほんと好きw
好きと言えば、ナイトショーでアンリが上の空でギクシャクなダンスを披露している時にショー前まで険悪だったアダムがアンリに助け舟を出しアンリが我に返り夢の舞台を想像して踊るところがなんとも生き生きしている。あぁ、苦労を重ねたアンリ、こっちが泣きそうだよ。それに終盤のリズが舞台に立つシーンでジェリーとの思い出に浸りながら踊るバレエが美しすぎる。あの時の彼女は完全にライザ。本当の自分をさらけ出したが故の美しさなんだろうなぁ。個人的にツボだったのはリズのお披露目会兼アンリとリズの婚約発表会の時のアダムのピアノさばきwそりゃあいくらお祝いの席でもハッピーな音楽は奏でられませんねwアダムは都度ピアノの音色で心情や情景を表現しているので、あそこはアダムに同情する他ありませんwリズ登場前のFidgety Feetでのジェリーの浮かれようも可愛い😍それにノってしまうムッシュ味方氏も可愛い😍


いやぁ、やっぱり1回じゃ物足りないな。噛み砕けない。もっとあの空間に入り込みたい。彼らは自分たちの人生と向き合いながら戦後間もないパリの街でそれぞれの恋と自由に向かってひたすら前に進んで生きていて。それでいて自由に自分の意見や気持ちを発信する事が許されない生き辛い時代背景でどれだけの重荷を背負って奔走していたのか。もっと終戦後のパリに息づく彼らの思いや生き様を汲み取りたい。
9月からは名古屋公演が決まっているのでまた観に行けたらなぁ。半年も経てばまた感じ方も変わってくるだろうし。

最後に誘惑に負けて買ってしまった戦利品↓